世田谷のすずり
撮影の2日目は、実際に猫と暮らしている空間での撮影でした。
前日の池袋が「形」を整える場とすると、この日は暮らしの中での見え方を確かめる時間になります。窓から入る朝の光や、テーブルや床の質感の中で、プロダクトの見え方を見ていきました。

キャットスツールやミルクガラスのボウルを段ボールから出していると、一匹の猫が近づいてきました。この日のモデルは、ブリティッシュショートヘアの「すずり」。この家に住むグレーの毛並みの彼女は、ゆっくりと椅子の上に乗り、こちらの様子を確認しています。

早速、蝶ネクタイをつけてあげると、一瞬こちらを見つめ、気にする様子もなくそのまま部屋の中を歩いていきました。しばらくすると、窓際に並べたミニサイズのキャットスツールの上で毛繕いをはじめました。こちらを見つめてきたり、そのまま体を丸くして、落ち着いた様子で過ごしています。


ミルクガラスボウルにご飯を入れていると、すぐに近寄りそのまま食べ始めました。すぐに完食すると、満足げな顔でペロリと舌を出しながら軽く伸びをして、またキャットスツールの上に飛び乗りからだを撫でられています。


学ちゃんが構図を探りながらシャッターを切る横で、すずりはマイペースに歩いたり器を覗き込んだり、窓の外を眺めたりしています。こちらが「こう撮りたい」と構えるほど、彼女は軽やかに、その意図を外していきます。マイペースな彼女との撮影は穏やかに進みました。

暮らしの中で使われる状態と、その距離をそのまま写していきました。MOCKのプロダクトと「すずり」とのあいだにあるこの日の関係が、そのまま表れているように感じます。

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